治療支援部門

放射線科

リニアック(放射線治療)

マンモグラフィー検診施設画像認定

当施設は埼玉県がん診療指定病院として、患者さんが安心して治療を受けられる体制を備えています。2015年7月の病院移転を機に、さらにがん診療に力を注ぐべく「がん治療センター」が新設され、様々な機能をもったブースが集結しました。がん診療には欠かせないPET-CTの設置をはじめ、化学療法専門の治療室や、緩和ケア専門外来を開設し、がん全般に対応するがん相談支援センターも整備されています。
2015年10月より放射線治療を本格的にスタートさせ、がん治療センター内に放射線治療装置リニアックCLINAC-iX(VARIAN社製)を導入し、放射線治療医による、根治的照射(完治させる)、緩和的照射(苦痛を抑える)、予防照射が可能となりました。今後も放射線治療の充実を図るために、放射線の強さに強弱をつけることができる「強度変調治療IMRT」を導入する予定です。
当院のリニアックには、X線・電子線合わせて7種類のエネルギーが搭載され、病変に応じた最適なビームを選択できます。また、5~10mm幅のマルチリーフコリメータが装備されており、病変の形状にあった治療ビームの作成が可能です。画像照合用のX線管球も搭載されており、高精度に位置合わせを行うことができます。
しかし、精度の高い装置を導入しただけでは、高精度で安全な治療を患者さんに提供できるわけではありません。日本では2000年代から、複数の放射線治療関連事故が発生しており、その機器の精度管理が重要視されるようになってきています。当院では、医学物理士、放射線治療品質管理士の資格を持ったスタッフが日頃から精度管理を行い、安全・安心で質の高い放射線治療を提供いたします。
さらに近年では、放射線治療関連事故防止のため、第三者機関によるリニアック出力の確認が推奨されるようになり、当院も精度管理の一環として、第三者機関によるリニアック出力の確認をおこない、証明書もいただいておりますので、安心して放射線治療を受けていただくことができます。

治療用照射装置出力線量の第三者機関による測定実施証明書

放射線治療とは

がん治療には大きく分けて、手術療法、化学療法、放射線療法の3種類があり、その中から患者さんに最も適した、有効な治療法を選択していきます。
放射線治療はエネルギーの高い放射線(エックス線や電子線)を体外から照射し病巣部の細胞内にある遺伝子(DNA)にダメージを与え、
細胞を死滅させたり、がん細胞分裂の進行を抑えたりする治療法です。そして、放射線治療には大きな利点が3つあります。

① 他の治療と比べて肉体的負担が少ない(切らずに治す)
② 機能・形態を温存しながら行える(低侵襲)
③ 全身状態がよければ、外来通院で行える(治療中・治療後の生活維持が可能)

また、放射線治療新患者数は、全国で2007年に18.2万人、2010年で25万人、2015年には27万人と増加の一途であり、当院でも増加傾向となっています。

放射線治療の対象疾患

悪性腫瘍… 脳腫瘍(原発性、転移性)、頭頸部癌(喉頭癌、口腔癌、咽頭癌など)、肺癌、縦隔腫瘍、食道癌、乳癌、胃リンパ腫、前立腺癌、子宮頸癌、直腸癌、膀胱癌、脊髄腫瘍、皮膚癌、骨軟部腫瘍、悪性リンパ腫、骨髄腫、(肝胆膵臓癌の一部)など
良性疾患… 甲状腺眼症、ケロイドなど

がん治療の一つである放射線治療についてやがん治療の方針をはじめ、がんに対する小さな悩みや不安など専門的に相談は、がん治療センター内にある「がん相談支援センター」へご相談ください。

担当医

科長(治療) 大森 義男(おおもり よしお)

科長(治療)  大森 義男(おおもり よしお)

【プロフィール】


【資格】

医学博士
日本放射線腫瘍学会および日本医学放射線学会放射線治療専門医
日本核医学会核医学専門医
日本核医学会PET核医学認定医
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本医学放射線学会研修指導者
第1種放射線取扱主任者
厚生労働省 医師の臨床研修に係る指導医講習会修了
厚生労働省 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
第24回日本核医学会春季大会 アミロイドPET読影講習会 Flutemetamo1読影コース修了
難病指定医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
介護支援専門員

外来担当医

時間/曜日
午前受付
8:00-12:00
(診察) 9:00~
午後受付
12:35-17:00
(診察) 13:00~
大森 義男 【予約制】初診のみ
大森 義男 【予約制】初診のみ
大森 義男 【予約制】再診のみ

当院で治療を希望される場合には、現在おかかりの医療機関より当院病診連携室にご連絡ください。

○病診連携室について